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expanded leaves

大きなバルコニーが木の葉のように舞い踊る集合住宅は、あらゆる機能や活動を許容するランドスケープとなり、都市環境を内包する。

これからの暮らしに豊かさをもたらす「大きさの住宅」とは何か、集合住宅の形式から考える。

日本における集合住宅のほとんどが、最小限で無機質な共用部から各住戸へアプローチし、反対側に奥行きの浅いバルコニーを同じ向きに配列複製することで、住人同士のつながりを絶つ形式となっている。さらに現代におけるインターネットやSNSの普及による小さく閉鎖的な携帯端末化した生活空間が集合住宅におけるコミュニティの希薄化を助長しており、これにより生じる閉じた個々の生活の風景が都市に表出することで、街並みは単調になり都市空間を退屈なものにしてしまっている。

そこで共用廊下やバルコニーといった共用空間を、住宅と都市の境界が曖昧に混ざり合う余白とすべく、それらが一体となった大きな屋外の生活空間として立体路地のように積層させ、住宅機能に限らず都市に散らばる公共的な生活機能を集約していくことで、多様なコミュニティの形成を促し、人と人、暮らしと社会との物理的なつながりを育む。

「大きさの住宅」とは、小さく閉じていた私的・共用空間が曖昧な余白となり、都市空間へと拡張・変容することで、都市環境とともに絶えず変化しながら成長する山のようにおおらかな「大きさ」をまとった、多様性に満ちた集合体である。

Year

2017

Competition

新建築住宅設計競技(アイディア)

Theme

​大きさの住宅

Type

​集合住宅

Jury

​長谷川 豪

Prize

​佳作

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