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小さな家

敷地いっぱいに家を建て周囲へ閉ざすことでかえって息が詰まるような暮らしをしているように思えてならない現代の家。外部環境を遮断し、快適性という重装備をまとった家の中のみで完結してしまう暮らしは、果たして豊かと言えるのであろうか。

塀を取り払い、街路から少し奥へ引っ込んだところに配置した小さな家の壁を開いて閉じることで、呼吸がはじまる。アスファルトと土、広場と庭、街路樹と庭木、街灯と部屋の灯り、踏切の音と食卓の音、賑わいと静けさ。敷地の中をすっと抜ける、街と生活の空気が混じり合うとおり道。敷地内を巡る街と家との空気の循環に寄り添いながら暮らすということ。

奥行きのある行きどまりに、街と家、互いの気配を感じ合う、呼吸する暮らし。環境のうつろいを絶えず身体で感じとることで生きていると実感できるような豊かさを家に求める。

Year

2015

Competition

第11回ダイワハウスコンペティション

(アイディア)

Theme

呼吸する家

Type

住宅

Jury

小嶋 一浩、堀部 安嗣、平田 晃久、西村 達志

Prize

入選

Publication

新建築住宅特集 2016年1月号

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